ポンコツが翔ぶ

オードリー・お笑い・サブカルチャー

オードリーのオールナイトニッポン 10周年全国ツアーin日本武道館 行ってきた話

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一つひとつのエピソードが思い出されて愛おしい。そういうものがある幸せを噛み締めてしまいます。

ずっと「大人になりきれない・中学生の心を持ち続ける」的なスタンスでいた二人が他者と関わり、家族というものについて向き合っていこうとしている。大きくステージを変えていこうとしている。そんな成長の瞬間に何万人ものリトルトゥース達と共に立ち会った。暖かい優しさに満ちたライブでした。子供の成長を見守る家族のような、そう、家族的な空気に満ちていましたね。

「大人になんかなるなよ」なんて誰も思わなかったと思う。ただただ「良かった。良かった。」と皆心から拍手し歓声をあげていたと感じました。

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あんなにオカルト嫌いな若林さんがお父さんのお骨の納め方に困ってイタコに会いに行く話から、春日さんがフライデーされたお詫びに狙ってる女を1泊数万する旅行に連れて行ったり、狙ってる女のお父さんを含めた誕生日会を催したりと互いの主題が「家族」になっていく。10年続くラジオの周年ライブであればもしかして今までを振り返ったりする内容になってもおかしくないのに、最近あった家族関連の話をする。奇妙なようでいてリトルトゥース(リスナー)にとってはとても必然に感じる展開。

 

ある意味オードリーANNは外の世界で感じたことを身内だけに話しかけるような空間でした。世間からズレこんだ二人が、飲み会、合コン、バーベキュー大会、ゴルフなどの”世間の人が当たり前に通ってくる経験”に恐る恐る参加しては「こんな風になってたのか」などと新鮮な視点で得たことを、身内(リトルトゥース)に語るのが面白さの一つだったと思うのですが、それがここ数年「おじさんだからね」という言葉で随分と中和されてきて、視点が優しくなり、受け止め方が大きくなってきて、それがまた楽しかったりもしていたわけですが、そんなナナメだった二人の成長の一つの分水嶺をこのライブツアーを通して見せてくれたかのようでした。

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特に「いっそ春日の魂と俺の魂を入れ替えて、春日の身体にイタコで入った親父の魂と中で話をさせてくれ」というある種超狂気的な最後の漫才は、発想が突飛すぎるがゆえにそれ程にお父さんを恋しがっている。ということを曝け出してしまうのに、それを厭わず、笑いに転換させようという凄みにゾッとしながらも、大笑いしながら涙がずっと止まらない、感情が揺さぶられ続けた漫才でした。

若林さんの「もう一度会いたい」という思慕と狂気に、「やってみよう」と受け止めて全身で呼応する春日さんの姿があまりもに輝いていて、愛しかなくて。漫才にはこんな形もあるのかと。

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家族旅行したら、アウトレットモールで景色の写真を撮るお父さんを見て若林さんは「思い出に残そうとしてんじゃないよ」と笑い、春日さんも同じようにバカ笑いする。それを山ちゃんに「頭おかしい」と叱られても、何にもおかしくないよなと話し合っていた二人が。こんな漫才をするようになるとは。

 

若林さんの「父親が隠れた」「家族の人数が減った」という表現に必ず春日さんが吹き出してしまう、若林さんは「笑ってんじゃねーよ!」と言う。あのお約束のやりとりの裏にある絶対的な二人の信頼関係はどれだけ見続けても永遠に分からない深さだと感じた時間でした。そして分からなくていいや。とも。そうやって二人がずっとお爺ちゃんになっても楽しそうに漫才をし続けて欲しい。それでいい。

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そのままでもいいんだよ。という自己肯定と、変わってもいいんだよという赦しと、人間賛歌。としか言い様のない夢みたいな数時間でした。そしてまた日々は続く。オードリーと一緒に歳をとっていける喜びを噛み締めながら。

 

 

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抽選にことごとく外れ、ライブビューイングでいいからやってくれと呟きまくっていたらライブビューイングになったしやっと当選しました。

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グッズ購入のために武道館へ行きました。ここにいる人みんながリトルトゥースなんだ!と思うと本当に感無量。